“木の家具”って、ぜんぶ本物の木なの？

ナチュラルな木の家具。
どれも木目がきれいで、あたたかい雰囲気がありますよね。

でも──ちょっと気になりませんか？
あの“木目”、ぜんぶ本物の木なんでしょうか？

今日は、知っているようで知らない
「無垢材・突板（つきいた）・メラミン化粧板」の違いを、やさしく紹介します。

無垢材（むくざい）── まさに“木そのもの”

無垢材は、一本の木を削り出して作る“本物の木”。
切ったときの香り、触れたときの温かさ──どれも自然そのものです。

テーブルや棚に使われるときは、いくつかのタイプがあります。

• 一枚板：一本の木から切り出した板。つなぎ合わせていないので、サイズが大きいほど希少。

• はぎ材：数枚の木を横方向につないだ板。自然な木目で一枚板に近い見た目ながら、価格を抑えられる。

• 集成材：小さな木片を縦横に接着した板。反りに強く、強度が高い。

どのタイプも“木の呼吸”を感じられる素材です。
触れるとほんのり温かく、光をやわらかく反射するのが特徴。

“木が生きている感じ”を楽しみたい人には、やっぱり無垢材ですね。

突板（つきいた）── 本物の木をうすく使う

突板は、本物の木を0.2〜0.6mmほどにスライスして、
その薄い板を合板などの基材に貼ったものです。

見た目はほとんど無垢材と変わりませんが、
中身が違うため、軽くて反りにくいのが特徴です。

「天然木の雰囲気は好き。でもメンテナンスは楽にしたい」
そんな人にぴったりの素材です。

木の質感や木目の個性を楽しみながらも、
価格を抑え、扱いやすく仕上がるのが突板の魅力。
ただし表面が薄いため、削り直しなどのメンテナンスは難しい点もあります。

メラミン化粧板── “木目っぽい”けど、本物の木ではない

メラミン化粧板は、樹脂に木目を印刷したシートを貼った素材です。
つまり、“木の見た目”を再現した人工素材。

ぱっと見は本物の木のようですが、触るとすぐに違いがわかります。
手ざわりはツルッとしていて、香りもありません。

水や熱、傷に強く、お手入れが簡単。
キッチンやデスクなど、水まわりにもよく使われます。

価格が手ごろで、製品ごとのばらつきが少ないのも特徴。
ただし、木のぬくもりや深みといった“風合い”は感じにくい素材です。

どれが“いい素材”なの？

実は、どれが一番良いというわけではありません。
それぞれに個性と使いどころがあります。

まとめ：知っていると、家具を見る目がちょっと変わる

どれも“木の家具”に見えるけれど、
中身を知ると、見え方がまったく変わります。

無垢は「木そのもの」。
突板は「木の表情を借りた素材」。
メラミンは「木の見た目をデザインした素材」。

どれが正解というわけではなく、
それぞれの暮らしにフィットするものを選べばいいんです。

次に家具を見かけたら、
少しだけ素材にも目を向けてみてください。
きっと、選ぶのがちょっと楽しくなるはずです。

🪵 補足：ECサイトの商品欄もチェックしてみましょう！
家具の商品ページには、「材質」や「仕上げ」の欄があることが多いです。
どんな素材が使われているのかを見てみると、
今回紹介した“無垢材・突板・メラミン化粧板”のどれにあたるのか、
少しずつ見分けられるようになりますよ。

「自分の気になっている商品は、どのタイプなんだろう？」
そんな目線で見てみると、きっと発見があるはずです。