祖母の家のリビングに、ひときわ存在感のあるけやきの大黒柱があります。
子どものころは、ただの黒っぽい柱にしか見えませんでした。
でも今見ると、表面にほんのり艶が出ていて、触るとしっとりとした手触り。
長い年月を経た木の質感は、長い時間経過とその家での歴史を感じさせてくれます。
木は、時間とともに変わる素材
木は、空気や光、湿度に反応して少しずつ表情を変えていきます。
新しいときは明るく、軽やかな色。
そこから年月を重ねるうちに、光に焼け、空気に触れ、人の手に馴染み、深みのある色へと変わっていきます。
それは「劣化」ではなく、暮らしとともに育っているとも言えます。
木の種類によって変化もいろいろ
木の経年変化は、種類によって少しずつ違います。
スギは明るい木色から少しずつ赤味やグレーが混じるように、
ヒノキは白っぽい色からあめ色に変わり、艶が出ていきます。
そして祖母の家のけやきのように、赤みや深い茶色を帯びて重厚な印象になる木もあります。
どの変化も、時間をかけて暮らしに馴染んでいくという点では共通しています。
磨けば、また新しい表情に
無垢の木は、表面を磨けばもとの木肌がのぞきます。
経年変化で色味が変わるのは、表面の数ミリだけなんですよね。
けやきの柱も、もし磨けば明るい木目が出てくるでしょう。
でも、今のままの“時間がつくった艶”もまた、美しいと思います。
木の変化は、止めるものではなく受け入れて楽しむもの。
それが木と暮らすいちばんの魅力かもしれません。
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